それぞれの業種において、専門的な技術や知識を
活かした職種が多数存在します。
造船・舶用工業は、船の設計から建造、整備までを一貫して行う海のものづくり産業です。大型船から特殊船まで、多様な用途に合わせた船を造るため、高度な技術と精密な作業が求められています。また、船舶の安全性を確保しつつ環境性能を向上させる取り組みも進んでおり、海上輸送の基盤を支える重要な役割を担っています。
今後は、環境負荷を大幅に軽減するアンモニア燃料船や水素船などの次世代燃料によるゼロエミッション船の開発が加速し、自動運航技術を備えたスマートシップの研究も進んでいます。AI や IoT を活用した船舶の高度モニタリング技術など、革新的な技術が導入されることで、造船・舶用工業は未来の海洋産業を牽引する分野としてさらに発展していくことが期待されています。
横浜は明治期から造船業が盛んで、造船所とともに周囲に舶用機器メーカーや研究機関が集積し、地域の技術力を底支えしてきました。現在も横浜国立大学をはじめとする教育機関と企業が連携し、次世代船の開発、試験、人材育成が横浜で継続的に行われています。
船や機械の構造・性能を考える仕事
実際に船をつくる現場の仕事
安全性や性能を保つための仕事

貨物や人を世界へ運び、国際貿易を支える不可欠な産業です。日本の貿易の約99%が海上輸送で行われており、コンテナ船、タンカー、自動車専用船、フェリーなど多様な船舶が活躍しています。船舶の安全運航を支える専門職が連携し、グローバルな物流を途切れなく動かしています。
環境対応型船舶の普及、デジタル化された運航管理、衛星通信を活用した高度な安全運航など、海運業は大きな変革期を迎えています。国際物流網の強化とともに、安定した需要が見込まれており、持続可能で効率的な物流の中心として、今後も成長が期待されています。
横浜港は1859年の開港以来、日本と世界を結ぶ国際貿易港として発展し、海運業の中核拠点として重要な役割を担ってきました。現在では、主要海運会社が利用する国際定期航路が集まる、日本有数の国際拠点港として発展しています。
船を安全に目的地まで運ぶ仕事
貨物の積み下ろしや運搬を管理する仕事
船の運航を支える事務・営業の仕事

貨物を港で受け入れ、積み下ろし、保管し、国内外へ輸送する一連の流れを支える産業です。コンテナターミナル、倉庫、トラック輸送などが密接に連携し、国際物流を滞りなく動かしています。
世界の港との競争が激しくなる中、国際競争力を高めるために、大水深岸壁の整備や24時間稼働できる物流体制、物流データの一元管理などが求められています。すでに自動走行コンテナ搬送車や遠隔操作クレーン、AIによる混雑予測などの導入が進み、港湾のスマート化が現実のものとなっています。
横浜港では、ふ頭ごとに特徴ある物流インフラが整備されています。自動車専用船の拠点となる大黒ふ頭、国際コンテナ輸送の中心となる本牧ふ頭、在来貨物を中心に扱う山下ふ頭、青果物流の重要拠点として「バナナ埠頭」の名で知られる出田町ふ頭など、多様な貨物に対応できる総合物流港湾である点が横浜港の特徴です。
港で貨物を積み下ろし、運ぶ仕事
貨物の保管や流れを管理する仕事
輸出入の手続きや港の運営を支える仕事

海洋土木業は、防波堤や護岸、港湾施設、海底トンネルなど、海のインフラを建設・維持する仕事です。波や潮流、地盤といった海特有の条件に対応しながら、特殊な船舶や重機を使い、高度な技術によって海辺の社会基盤を整備しています。
海洋土木業は、洋上風力発電の基盤整備や海底インフラの構築など、新しい技術分野での活躍が広がっています。気候変動への対応や海洋資源の持続可能な利用が求められる中、環境に配慮した施工技術やデジタル施工管理の導入が進み、未来の海づくりを担う重要な産業として注目されています。
横浜では、大水深岸壁の整備や老朽化した護岸の更新、災害対策工事など、都市の安全と港の発展に欠かせない海洋土木工事が数多く行われてきました。こうした工事を担う企業が市内に多く存在し、技術力が横浜の港湾インフラを支えています。
工事の計画や地形の把握を行う仕事
海や港での工事を計画・管理する仕事
海の中や海上で直接作業を行う仕事

漁業や養殖、加工、流通を通じて海の恵みを食卓に届ける産業です。日本の食文化と地域経済を支える重要な存在であり、漁業者から加工・流通、研究者まで多様な職種が関わっています。
スマート養殖や資源管理型漁業の導入が進み、環境と調和した形での生産が広がっています。気候変動によって海洋環境が変化しやすい中で、水産業は食料安全保障の観点からもその重要性が増しており、安全で安定した供給のための技術革新が進んでいます。
横浜には中央卸売市場や富岡・柴漁港があり、シラスやワカメ、様々な地魚などが水揚げされています。都市でありながら海との距離が近い横浜では、地産地消の取り組みも活発で、海の食文化が地域と強く結びついています。
海で魚を獲る、養殖場で魚を育て出荷する仕事
獲れた魚を加工して製品にする。水産物の安全性を保つ仕事
魚を消費者に届ける仕事
水産業を支える仕事

海の研究・教育の分野では、海洋環境の保全、資源の開発、海洋政策の形成など多岐にわたる課題に取り組み、未来の海洋社会を支える知見や人材を育成しています。
海洋・水産・港湾という異なる専門分野を担う研究機関そして、教育機関が横浜からさまざまな研究成果や海の魅力を発信しています。
また、海洋環境の変化への対応、国際連携、市民参加型の科学プロジェクトなど、研究・教育の重要性はますます高まっています。
海に関するさまざまな研究機関及び教育機関が横浜に集まり、海洋環境・海洋政策・漁業・港づくりなど、未来の海を支える最先端の研究が行われています。
また、市民向けの講座やイベントを通じて海洋教育も積極的に推進されています。
海の仕組みや環境を調べ、未来に活かす仕事
海の知識を広め、次世代を育てる仕事
海に関する制度や地域の取り組みを進める仕事

海を舞台にしたレジャーや体験を通して、人々に非日常の楽しさや学びを届ける産業です。クルーズ、海上交通、水族館、海洋文化体験など、多様な観光コンテンツが人と海をつないでいます。
教育的な海洋体験や地域資源を活かした観光プログラムが増え、世代や国籍を問わず楽しめる海洋観光の需要は高まっています。交流人口の増加や地域活性化にも寄与する分野として、海洋観光は大きな可能性を持っています。
横浜には、クルーズ船が発着する国際客船ターミナルやみなとみらい周辺の海上交通、日本丸メモリアルパーク、八景島シーパラダイスなど、多彩な海洋観光資源があります。歴史と景観、文化が融合した横浜ならではの魅力が、観光客を惹きつけています。
海を楽しむ体験や旅を企画・運営する仕事
観光客に直接サービスを提供する仕事
海の文化や歴史を伝え、地域とつなぐ仕事

船舶の登録・検査、海上交通の安全確保、環境保全、港湾整備など、海の利用を支えるルールづくりや制度運営を行う分野です。産業振興は、海洋産業の成長や技術革新、人材育成を支援し、地域経済の活性化と持続可能な海洋利用の実現を目指します。
洋上風力の拡大や脱炭素化の動きが加速する中で、海事行政や産業振興が担う役割はますます大きくなっています。環境に配慮しつつ産業の競争力を高める取り組みが求められ、次世代エネルギーを活用した船舶や臨海部産業のエネルギー転換も重要なテーマとなっています。横浜でも CNP(カーボンニュートラルポート)構想を軸に、行政と産業界が連携し、脱炭素と産業成長の両立を進めています。
横浜には、港の運営や安全確保、船舶・航行に関わる業務を担う国や市の海事行政機関が集まっており、企業や大学と連携して海洋産業を幅広く支えています。
こうした産学官の基盤を生かし、2026 年の「オーシャントランスフォーメーション エキスポ(OXEXPO)」では、海洋産業の発展と新たなビジネス機会の創出につながる場が生まれようとしています。
海に関する制度やルールをつくり、運営する仕事
海の安全やルールを守るための専門職
海洋産業の発展を支える仕事
海の自然を守る仕事